「バスが来るわよ!早くしなさい!毎日毎日あんたって子は!!」
急かしながら、子どもの手をはねのけて、靴をセカセカと履かせるあなた。
「自分で履きたかった」と不服そうな我が子。
そして訪れる罪悪感…。
私たちは分かっていても、このような行動を繰り返してしまいます。
これを繰り返さないためには、強い意志が必要です。
意志を強くしてくれるのは、長期的な目的意識(ビジョン)です。
抽象的になってきましたが、誰にでもできる具体的な方法を紹介していきます。
少しだけ面倒ですがお付き合いください。
よかったら、下の【ワーク】だけでもやってみてください。
かかった面倒よりも大きな成果が出ることを確信しています。
あなたには十分な意志が存在している
とはいえ、朗報があります。
なぜ、あなたは、この記事を読んでいるのでしょうか?
- 子育てを穏やかに行いたい
- 優しい母親でありたい
- 子供の成長を見守っていきたい
という意志を持って行動した結果ではないでしょうか。
ですから、すでに強い意志を持っていると言えます。
行動が自然と、その意志に向かって進んでいくでしょう。心配はいりません。
ただ、長期的な目的(ビジョン)を一度、はっきりと自覚しておくと、意志がゆるぎないものになっていきます。
これが、精神的な余裕を手に入れる近道になると考えています。
できれば一緒に少しだけ手間をかけてみませんか。
私たちの目的は何だっただろうか
私たちが子育てをしていく上での目的は何だったのでしょうか。
最も大事にしていることは?
靴を履こうとする子どもの手をはねのけてまで、
- 幼稚園バスに余裕をもって間に合わせることとでしょうか。
- もたもたする子供に悪態をついて、素早く準備させることでしょうか。
きっと違いますよね。
価値観に根差したビジョンを意識できると・・・
私たちは、知らず知らずのうちに、目先のことに追われ、大きな目的を忘れてしまっています。
私個人としては、子供達には、
- 他者を信頼し、他者から信頼される人になってほしい
- 自分のペースで、自分の人生を楽しんでほしい
- 自由な価値観で、自立した人間になってほしい
と思っています。
それでも、ついつい、自分の思い通りにいかない子どもたちに対して、冒頭のような行動をとってしまうこともあります。
でも、この目的を意識するようになってからは、かなり冷静でいられるようになりました。
自分の持つビジョンに向けて、行動を変える意志の力を手に入れたのだと思います。
【ワーク】子育てのビジョンを強く意識する方法
結論としては、自分のビジョンを、紙に書いてみることです。
とはいえ、いきなり書けと言われてもピンとこないでしょう。
以下のワークをやってみてください(少しやってみて、時間が足りないなら別日にじっくりしてほしいと思います)。
【ワーク】 静かで一人になれるところで、まずは深呼吸して呼吸に意識を向けてください。 生活の喧騒や今日のタスクなどが、頭から離れていったら、以下を想像してください。 ----------- 厳粛な雰囲気の中、葬儀が行われています。 数年の時がたっていて、大きくなった子供たちと少し年をとった夫が、寂しそうではあるものの、穏やかな表情で椅子に座っています。 友人・知人・親戚も集まってきていて、やはりみな、厳粛に佇(たたず)んでいます。 棺(ひつぎ)の中には、満足そうな表情のあなたが横たわっています。 今日は、あなたの葬儀のためにあなたの大事な人たちが集まっています。 そして、子どもたちが語り始めました。 「生前のあなたは、こんな存在だった」 「生前のあなたに、こんな風にしてもらえてうれしかった」 「生前のあなたがこうだったから、今はこんな風に育つことができた」 ----------- さて、あなたは、子どもになんと言って欲しいでしょうか。 紙に書いてみてください。
これは、スティーブン・R・コヴィー氏の書いた、世界的名著『7つの習慣』にある一部分を、この記事向けにアレンジしたものです。
終わりを思い描くことで、隠れていたあなたの価値観がぱっと表に顔を表し、人生で本当にやり遂げたいことが、明確に見えてくることでしょう。
箇条書きでも殴り書きでもいいので、ぜひ、
- 母としてどうありたいのか
- 子どもたちの幸せのために、何をしたいのか
- 子どもたちの成長のために、どう貢献したいのか
について、文章にしてみてくださいね。
潜在的に持っている、あなたのビジョンが可視化されてきます。
目先のことに惑わされなくなる
あなたは、母としてどうありたいのか、子供たちとどう接していきたいのか。
はっきりと自覚できたことでしょう。
毎朝、もたもたするわが子に文句を言いながら、せかせかと靴を履かせることなく、
- 自分の力で靴を履こうとするわが子を見守る
- 時間的に厳しいなら、明日は少し早く起きることも検討する
ことができるようになったことでしょう。
目の前の選択肢(急かすか、見守るか)に対して、自分の価値観に沿った選択ができるようになったはずです。
(注意点)子ども中心にすればいいということではないので念のため
とはいえ、葬儀で言われたい弔辞はまず最初に子供を思い描くのはいいことですが、あなたの人生は子育てがすべてではありません。
子どもが巣立って行った後も人生は続いていきます。
母以外の役割についても目的意識を持っておきましょう。
子ども・夫・学生時代の友達・職場の同僚・近所の友達・・と複数思い描いておきましょう。
これによって、あなたの人生の目的が見えてくるでしょう。
あなたは、これらの役割別の目的に沿ってバランスよく行動していくことができるでしょう。
(参考)この記事の位置づけ
この記事で書いたのは、以下の図の「①ビジョンを持つ」の部分です。
これは、しっかりとした意志をもつことを助けてくれます。
まとめ
簡単に整理しておきましょう。
- 長期的な目的(ビジョン)を意識する
- ビジョンに沿った意志が強くなる
- 強い意志のもと、価値観に沿った行動が選択できるようになる
- 結果的に罪悪感を感じることなく穏やかに生きていける
- ビジョンを意識したければ、自分の葬儀で大切な人に、なんと言ってほしいのか想像する
といったところです。
少し面倒かもしれませんが、【ワーク】だけでもぜひ試してみてください。
後のややこしいことを理解しないまでも、きっと人生が変わると思います。
皆さんの子育てが、穏やかに進みますように!
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