夫が育児休業を取らないワケと妻にできることを考える

子育て

初めての子育て。いきなりワンオペにチャレンジしますか?

とっても不安ですよね。

できれば、夫に育休を取ってほしいところです。

でも、世の中の夫たちはやる気がないのか、なかなか育休を取ろうとはしません

不公平ですよね。私たち妻は、仕事を諦めて育児に専念するのに、、、

夫ときたら、これまでどおり何食わぬ顔で仕事ですよ。

イライラしますよね?でも、少し待ってください。。

聞けば、なにやらいろいろと理由があるようです

うちは、4カ月弱の育休を取ってくれました。

でも、そこに至るまでに様々な葛藤があったみたいです。

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休まない夫たち

男性の育児休業の取得割合は、12.7%程度(2020年)なんだそうです。

どうですか?思ったより多いと思います?それとも少ないと思いますか?

あなたのご主人が勤める会社ではどうですか?

大きな会社や公務員の場合は、育児休業の取得割合も大きい傾向があります。

逆に、小さな会社だったりすると、まったく休まないのが当たり前だったりします。

数合わせのように、育児休業を取っている夫たちもいます。

子どもが生まれて、三日間、育児休業を取って、退院手続きと出生届を出しに行ったら、即、復帰

笑っちゃいますよね。こういう人たちも、12.7%の中にたくさん入っていますからね

世の中の12.7%の夫たちが一年間じっくり子育てしていると思ったら大間違いです。

現に、何らかの制度を利用して、休んだ人のうち、一か月以上休んだ人は7.1%くらい。

ほとんどの人は、一週間も休んでいないんですって!!!!

(参考)厚生労働省の資料

夫たちはキャリアを中断せずに済むからずるい?

Photo by Kyle Broad on Unsplash

私たち妻側だけが育児休業を長く取るなんておかしい!

先輩ママたちも育休のあと、営業から事務になってやる気を失っているよう。

なのに、男性ってだけでキャリアを中断せずに済むからずるい。

実際、どんどん男の人たちが昇進して、えらくなっていく。

それも、大した能力もない男性も、含めて…。

私は、バリキャリではないので、そこまで悔しい気持ちはないのですが、納得いかない気持ちはよく分かります。

総合職で入ったはずなのに、育休復帰後、なんとなく一般職みたいになっている人。いますよね。

彼女たちの憤りたるや、計り知れません。

休めない夫たち

Photo by Doğukan Şahin on Unsplash

2022年には、育児・介護休業法が改正されました。

法律上、夫たちは育休を取得しやすいよう配慮されることになりました。

でも、いくら法律が変わったとしても、人々の心までは変わりません

妻の妊娠の報告だけでは、ガチの育児休業まで本気で話が進みません。

会社側も、

  • 一応、聞くけど、育休取る?ダメとは言えないけど、、(普通は取らないよね?)
  • (育児休業の取得率あげたいから、)育休をとりなさい。(でも、長く休まれても困るので、)三日くらいゆっくりしておいで?

なんて雰囲気があったりするかもしれません。

そうでなくとも、他の人たちは、みんな長くても一週間くらいで復帰している

会社も、夫たちが長い期間休業するなんて本気で考えていない。

大きな会社ならいざ知らず、小さな会社だと、社員が長期に居なくなると組織運営も苦しくなってくるという事実もあるのでしょう。

私の会社の男性社員が、みんな育児休業で一年休んだら、会社、持たないかもしれません。

そんな中、あなたの夫だけが、「育児休業で一年間休みたいです」なんて言えるでしょうか

法律の改正をきっかけに、社会が少しずつ変わってくれたらいいなと思っています。

でも、まだまだ時間がかかるんだろうなぁと思っています。

私の夫が4カ月弱も育児休業をとれた理由は?

さて、ほとんどの人が一か月も休まない世の中で、私の夫は四カ月弱休みました。

なぜ、そんなことが可能だったのか、夫に聞いてみました。

結論としては、

  • 環境
  • やむを得ない事情

たまたま、条件がそろったから休めただけというのです。

夫たちが、長期間休める条件とは

夫があげた条件は、「環境」と、やむを得ない「事情」でした。

詳しく見ていきましょう。

環境①:大き目の組織であること

やはり、小さな組織ではなかなか難しいというのが夫の意見です。

例えば、三人の組織で、

  • 社長
  • 営業 兼 事務
  • 研究開発 兼 製造

みたいな組織で、一人が一年間休んだら、たぶん会社潰れますよね。

ちょっと極端な例ではありましたが、

  • 私の夫の代わりになる人がいくらでもいる

これが一つ条件としてあったみたいです。

環境②:人事部など働き方改革の旗艦となっている職場

社会全体で、「男性が育児休業をしっかり取得しよう」とは、なってきてはいます。

でも、「自分の組織は、これまでどおりでいいよね」って感覚がの人も多いのではないでしょうか。

人間は本来、変化が起こらない方が安心できる生き物ですからね。

夫は、会社の人事部で長い間、社員たちの、働き方改革やワーク・ライフバランスの施策を考える職場に居ました。

そんな職場だったからこそ、長期に休むことが、自然と許容される環境だったのだと思います。

事情:長男が病気だったこと

実は、長男に大きな病気があって、子育てにとても手がかかるという事情がありました。

振り返ってもらうと、いくら恵まれた環境であっても、長男に大きな病気がなかったら、せいぜい一か月が関の山かなぁと話していました。

長期間の育児休業の条件・まとめ

いかがでしょう。

  • 夫の替えがいくらでもいる環境で
  • 働き方改革に理解のある職場で
  • 男性社員が長く休まなくてはならない事情がある

これらがそろって、初めて4か月の育児休業が実現したわけです。

法律的には、純粋に子育てのために、一年休める制度なのに、現実は一か月以内でほとんどの人が仕事に復帰します。

Photo by Icons8 Team on Unsplash

社会は、男性が育児休業を長くとることを想定していないし、

夫たちも、それを察知して、長く休むという発想になりません

そして、結果的に、妻たちは一年間休むことが当たり前と思われるのです

夫たちが育児休業を取るためには社会はどう変わればいいの?

さて、夫たちが非常に、育児休業を取りにくい状況にあることをお話してきました。

  1. 夫が育児休業することに対して社会は不寛容
  2. 夫は育児休業を長く取得しない
  3. 結果的に、妻が長く育児休業するしかない
  4. 女性は、育児で長く休むという認識が広まる
  5. 女性が育児休業を取るのだから、男性は職場にいるべきという認識が広まる
  6. 「1.夫が育児休業することに対して社会は不寛容」

と無限ループになってしまっています。

制度が変わっても、使う人・使える人がいなければあまり意味がありません。

どんな社会だったら、夫たちが長く育児休業できるのでしょうか?

生産性の向上

私たちが社会で生み出している価値が、もっと低コストで生産できるようになれば、男性たちも長く育児休業できるようになるかもしれません。

10人の社員が100%全力で働いているとします。

そこに一人が育児休業するとなると、みんなは111.11%の力で働かないといけなくなります。

これは、残された他のメンバーが多少の無理をすることを意味します。

一か月くらいなら何とかカバーできるかもしれませんが、一年は無理でしょうね。

ただ、無駄な作業や手続きを省いて、今生み出している価値を80%の力で生み出せるようになったらどうでしょうか。

10人の社員が80%の力でゆとりをもって働いているイメージです。

そこで、一人が育児休業すると、みんなは、88.88%の力で働くことになります。

イメージとしては、

  • 9時~17時の職場で、
  • 今までは、15時半くらいに仕事がひと段落していた
  • 一人休んだら、16時過ぎくらいまでバタつく

どうでしょう、一年くらいなら何とかなりそうでしょ。

日本は先進国の中でも生産性が悪いとされています。

ここをなんとかできれば、夫たちも育児のために時間を使うことできるようになると思います。

終身雇用の崩壊

終身雇用が無くなったら、男性も休業しやすくなると考えられます。

終身雇用は、簡単に言うと、以下のような特徴があります。

  • 従業員を辞めさせにくい社会
  • 会社を辞めにくい社会

社員は簡単にクビを切られません。

でも、仕事を辞めて転職先を探しても、他の会社には入る余地がない。だから今の仕事を辞められない。

そんな時代が長く続いています(少し変わってきていますが)。

でも、仕事を辞めても、新しい仕事が普通に見つかる社会だったらどうでしょうか。

育児休業を取って、白い目で見られて居づらくなる。

嫌だと思えば、仕事を辞めて次を探せばいいのです。

終身雇用が崩壊していくことで、少し変わるんじゃないかなぁと私は見ています。

夫を責めないで

見てきたとおり、夫たちが気軽に育児休業を取れるようになるには、社会が大きく変わらねばなりません

夫たちも、また、育児休業を取りたくても取れない弱い立場にいます。

  • 家で妻から「育児休業も取ってくれないなんて、父親失格だわ」と言われ、
  • 職場で同僚から「育児で男が休むなんて、社会人失格だね」と言われ、

夫の、アイデンティティはもうボロボロです。

Photo by Christian Erfurt on Unsplash

夫を壊す目的がないのであれば、ここで、夫を責めてもいいことはありません。

私たちにできることをやっていきましょう。

実現可能な対応策を考える

社会が変わったらいいのに。

なんて、私たち一人一人がひそかに願ったところで、早々実現しないでしょう。

そして、夫にひとり社会の風潮に立ち向かってもらうのも、それはまた無理な話というものです。

それでも、子育ては喫緊の課題として、私たち夫婦の間にのしかかってきています。

今、妊娠が分かった人にも、少なくとも10か月以内にやってくるわけです。

ということで、私たちの影響力の範囲の中でできる対策を考えていきましょう。

家事の質を下げる(掃除は週に1回でOKなど)

家事の質を下げることは、二つの意味があります。

  • 私たちは、単純に作業が減って楽になる
  • 夫が低スキルでも関与できる範囲が増える(私たちは手が離せる)

家事スキルが低い夫でも任せられることが増えるんです。

そうすると、その部分はマルっと負担がなくなるわけですから、夫が休業しなくても、私たちの負担は減るわけです。

(そこに育児がねじ込まれるので、ラクにはなりませんが…)

以下をヒントに、家事の質を下げることを考えてみてください

  • 毎日、ピカピカに掃除しないといけないのだろうか
  • 「クックドゥー」なんて手抜きは許されないのだろうか
  • 夕食は、必ず三品以上用意しなくてはならないのだろうか
  • 洗濯物に多少のしわがあっても気にしないでいいのではないか
Photo by Allef Vinicius on Unsplash

家事を単純化する・マニュアル化する(モノを減らすことも)

家事の質を下げることに似ていますが、単純化してマニュアル化しておくと、夫が関与しやすくなります。

新しい職場に行ったときに、最初は簡単な業務から慣れていくじゃないですか。

夫の家事への関与も同じです。

簡単な仕事がたくさんあれば、夫の関与度は上がっていくものです。

以下をヒントに、家事を単純化・マニュアル化してみることを考えてみてください。

  • 洗濯物はきれいにたたまないとだらしないのだろうか
  • 月曜日と木曜日は毎週カレーライスでも別に誰も怒らない気がする
  • 食器はいつも使うものだけ。食器棚を開けたらすぐに見えるところあればいい。

やめてしまう家事を決める(モノを捨てるなど)

やめても困らない家事なんて多分ありません。

みなさんが頑張ってこなしているどんな家事にも、必ず価値があります。

でも、やめてしまっても、そんなに幸福度が下がらないものはあるはずです。

それを探していくと、負担が減ってきます。

以下を参考に考えてみてはいかがでしょうか。

  • 夫のワイシャツは全部形状記憶にして、アイロンがけから解放される
  • 布団乾燥機をフル活用して、布団を干す手間を省く
  • じゅうたんをめくって掃除機かけるのめんどうだな。じゅうたん捨ててもいいかな
  • 時々、晩御飯を作るのをやめて外食や宅配弁当を食べる

それでも社会を変えていこう

それでも、私は社会が変わればいいなぁと思います。

小さなことから、できることをやっていきましょう。

職場では、積極的に男性を休ませよう

例えば、部下や後輩の男性社員が育児の休業を悩んでいる様子だったら、積極的に休ませるような上司になりましょう。

とはいえ、周りが一週間で復帰しているのに、いきなり「一年休んだら?」なんて言っても、「いや、いいです。」となって終了です。

「俺、干されてる???」と勘違いされちゃうでしょう。

周囲の男性職員が休む期間の1.5~2倍くらいをすすめてみてください。

相手は、「え?いいんですか??」って感じになると思います。

一週間が二週間、二週間が一か月、一か月が三か月、、、

そうやって、小さなところから、社会の風潮を変えていきましょう。

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育休を取ろうとする男性職員にとって、育児経験のある女性の先輩の後押しほど心強い物はありません。

男性の上司から、「育休とっていいよ」と言われても、建前であることをくみ取って、遠慮してしまうものですが、

育児の苦労を知っている女性の上司からの「育休取っていいよ」は、素直にホンネとして夫たちに刺さります

最後にできること、それは選挙に行くこと。

選挙にちゃんと行きましょう。

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今の人口構成を見ると、私たち子育て世代よりも、高齢化が進んで年配世代が多いと言えます。

そして、投票率も私たち世代よりも、年配世代の方が多いのです。

つまり、選挙に行っているのは、主に年配世代であると言えるわけです。

–さて、それでは問題です–

選挙でこの国のルールを決める政治家は、どの世代にメリットの大きな政策を立てるでしょうか?

答えは簡単ですね。

得票数が取れるところに刺さる政策を打ち立てるに違いありません。

そうして、年配世代に優しい・私たち子育て世代に厳しい政策がドンドン作られていくわけです。

選挙に行きましょう。

あなたの一票では、結果的に何も変わらなくても、子育て世代の投票率を上げて、政治家の目をこちらに向けることが大事です。

まとめ

今のこの国では、夫に育児休業をしっかりとってもらうことは望みが薄いと言えるでしょう。

なんやかんやで多くの夫たちが、ほとんど育児のために休業できていません。

そんな中、夫ひとりに、社会に立ち向かわせても、夫がつらいだけです。

とは言え、社会の風潮を嘆いても、社会は変わりませんし、私たちはラクになりません。

私たちにできることを少しずつやっていきましょう。

  • 育児休業を取らない夫をむやみに責めない(夫も外で苦労しています)
  • 家事を簡素化・単純化することを考えてみる
  • 職場の男性には周りより少しだけ長い育児休業をすすめる。身の回りから改革する。
  • 選挙にちゃんと行く。社会をジワリと変えるために行動する

夫たち育児休業しにくい世の中少しでも変わりますように

(参考記事)

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